清助のちょっと一言−活動日誌

【18.06.01】「自由で闊達な言論・表現空間を創造します」

週刊金曜日の編集委員でもある法政大学の総長・田中優子氏は、大学のHPに「総長メッセージ」を5月16日出している。
そのことについて週刊金曜日6月1日号に、自ら「風圧はこれから強くなる」と題してエッセイをつづっています。
そのエッセイの後段に次のように書いている。
「私は、右翼左翼と言う分類を無駄だと思っている。ネトウヨと言う名づけも使わない。
自分も他人も分類せず、まっすぐに議論することこそが面白い。誹謗中傷する人々はきっと、ある種の感情を柱にした仲間集団に所属し、それに守られながら、何らかの理由でたまった溜飲を下げているのだろう。そこには思想のかけらもない。
しかし、国会議員がそれでいいのか。
議員の仕事とは、重要なデータや研究を挟んで異なる意見をぶつけ合い、政策を真剣に議論する仕事である。
研究内容に問題あると言うのなら、批判もきっちりすべきだ。
憲法第23条には「学問の自由は、これを保障する」とある。
国会議員に憲法を守らせるのは国民の責務だ。
しかし、憲法を守り、守らせるより、現政権を守ろうとする人がいる。
「それでも、日本人か?」と言うセリフは、こういう時にこそ使うべきだ。
日大アメフト事件以後、「大学のガバナンスはどうなっているのか?」と言う声も聞こえる。
体育会の監督が常務理事もやっている、と言う大学があることを知って仰天した。
そういう大学は極めて特殊だ。
体育会への責任と距離のあり方を考えさせられた。
暴力とスポーツは同じではないと言う当たり前のことも、言い続けなければならない。


法政大学ホームページに掲載された「総長メッセージ」は次の通り。

自由で闊達な言論・表現空間を創造します
                                   2018年05月16日
昨今、専門的知見にもとづき社会的発言をおこなう本学の研究者たちに対する、検証や根拠の提示のない非難や、恫喝や圧力と受け取れる言動が度重ねて起きています。その中には、冷静に事実と向き合って社会を分析し、根拠にもとづいて対応策を吟味すべき立場にある国会議員による言動も含まれます。

日本は今、前代未聞の少子高齢化社会に向かっています。誰も経験したことのない変動を迎えるにあたって、専門家としての責任においてデータを集め、分析と検証を経て、積極的にその知見を表明し、世論の深化や社会の問題解決に寄与することは、研究者たるものの責任です。その責任を十全に果たすために、適切な反証なく圧力によって研究者のデータや言論をねじふせるようなことがあれば、断じてそれを許してはなりません。

世論に多様性がなくなれば、働く現場は疲労困憊し、格差はいっそう拡がり、日本社会は硬直して出口を失うでしょう。柔軟性をもって意見をかわし、より良い方法を探ることこそ、いま喫緊に必要なことです。

「自由を生き抜く実践知」を憲章に掲げる本学は、在学する学生・院生、本学で働く教職員の、積極的な社会的関与と貢献を評価し、守り、支援します。互いの自由を認めあい、十全に貢献をなしうる闊達な言論・表現空間を、これからもつくり続けます。

今後、全国の研究者、大学人の言論が萎縮する可能性を憂慮し、本学の研究者に起きていることを座視せず、総長としての考えをここに表明いたします。

                                  法政大学総長 田中優子

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